寒さも深まり、ヨシ刈りシーズンが到来しました!

私たちも第1弾として、2023年12月16日(土)に能登川の伊庭内湖で開催されたヨシ刈りボランティア活動に、ヨシでびわ湖を守るネットワークの仲間たちと参加してきました!
伊庭内湖でのヨシ刈りボランティアには、コロナ禍の自粛期間を経て、ネットワークとして約3年ぶりの参加となりました。(※コロナ禍の間も感染対策をしつつ、地元の自治体のみなさんでヨシ刈りを実施されていました)

ご参加いただいたみなさま、大変お疲れ様でした。ご協力本当にありがとうございました!
現地の様子をお届けします!

お空は曇天ながらも

当日は集合時点で少し雨がパラつくような曇天のスタート。開会式の空も暗〜い!
寒さ対策と雨具の心づもりをしながら、総勢約160人のみなさんが集結しました。

開会式では、初めてのご参加の方もいらっしゃるのでヨシ刈りの手順を説明してくださいます。
さらに今年は、受付で詳しい説明書も配布されました。至れり尽くせり。
しかし、新たに追加された手順に首を傾げます。

・折れていないヨシだけを選別して束ねる(折れたものはのぞく)
・束ねたヨシの直径を揃える

結構シビアじゃありませんか!?これまで何度も参加してきましたが、初めての試みです。
いったいなんでなんだろう… ?

と思いながら、真面目な我々はメジャーで指定の直径サイズを各自確認して、これくらいか〜などとイメージトレーニングに勤しみます。って、真面目で真摯なモノづくりの仕事のクセがでちゃう〜。規定サイズという言葉を聞くと、寸分の誤差を追求しようとする習性が笑

なんて言いながら、いよいよヨシ原に向かいます。

秘密道具登場!

ヨシ原に到着すると、さあ紐を持ってヨシ刈りを始めるぞ〜!
とみんなで続々とヨシ原に足を踏み入れます。

あら?手前のちょっと拓けた場所に何やら木の板を組み合わせて使った謎の道具が…?

なんと!こちらは、みんなが刈り取って仮束ねしてもってきたヨシ束を規定サイズに括れる治具だったのです!

板の半円にカットされた部分にヨシを寝かせると規定の直径を計れて、さらにヨシ束が持ち上げられているので紐で束やすいという優れもの!仕上げに正方形の木の板の上で、トントンと整えると下部もきっちり揃うという寸法です。
(仮束ねの段階でヨシ原の地面でもトントンと整えますが、地面が平ではないので不揃いになりやすいのです)

画期的な秘密道具!!メジャーいらずやないか〜い!

Let’s ヨシ刈り!

心配ごとも解決したところで、早速ヨシ刈りスタートです。

前日からの雨で地面はぬかるみ気味、ところどころ泥んこの水たまりも見えます。
滑りやすい地面とヨシを刈り取った後のするどい切り株に注意しながら、慎重に足を進めました。

みんなで協力しあって和気藹々と、身長の1・5〜2倍はあるヨシを刈って行きます。

ヨシ原の観察

合間では、恒例となったヨシ原のバイオマス調査も実施しました。
ヨシ刈りボランティアを行っているもう1箇所の西の湖のヨシと比べると、色々と違いを感じます。

まず、ヨシ原での生え方として雑草が多いこと。それぞれの場所の特性もあり、自生している植物も若干違うのかも?
全体的に、直径も伊庭内湖の方が細く全長も短く感じました。
何度も参加してくれているメンバーもヨシ刈りをしながら「ヨシ自体の色味や太さもちょっと違うね〜」などなど、観察して感じたことを教えてくれました!

みんなで力を合わせれば

ヨシ原入り口の秘密道具があった場所から、どんどんと刈り進めていていくとこの通り!
一人では小さな力でもみんなで力を合わせると、あっという間に切り開かれていきました。

終始空模様は怪しかったものの、作業を始めるとびっくりするほど気温が上がってきて汗だくに💦
思わず上着を脱ぐほどに暑い現場での作業となりました。みなさま、本当にお疲れ様でした!

ヨシの活用

さてさて、今回特別にヨシの選別や束の直径をきっちり揃えていた理由を詳しくお伺いしてみたところ、ヨシ刈りボランティアの会場から程近く、大濱神社にある仁王堂の葦葺き屋根を数十年ぶりに葺き替えるためなんだそうです!
仁王堂は県指定文化財です。なんと名誉な作業に携われたものだと、帰りに大濱神社に行ってみました。

葦葺き屋根の迫力に目を奪われつつ、なんだか見覚えが…?
実はこちらの景観を含む「伊庭八景」をモチーフにしたオリジナルヨシポストカードを、地元の湖辺の郷伊庭景観保存会さんにお作りいただいておりました。宛名面にはしっかりと「びわ湖淀川のヨシ紙」の表記もあります。

伊庭内湖では、琵琶湖の環境保全・生態系保全を目指して地域一体となってヨシ刈りやヨシの活用に取り組んでおられます。
ヨシの活用方法や携わり方は様々ありながら、みなさんの地元・琵琶湖を大切に思う気持ちが繋がってどんどんと輪が広がっていることを実感しました。

ヨシ刈り成果報告

参加企業・団体:12社 1団体 112名(ネットワーク会員のみ)
刈り取り面積 :6,500㎡(最終地元刈り取り分も含む)
ヨシの長さ  :229㎝ (サンプル10本平均)
CO2回収量  :5.58t

さて、今シーズンは、2月にあと2回ほど西の湖でのヨシ刈りボランティアを予定しています!
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

ヨシでびわ湖を守るネットワーク